12 July 2013

Walk in the Light While There is Light

『光あるうち光の中をあゆめ』


トルストイの中編小説について備忘録を兼ねて。
内容については様々な書籍やブログ良く要約されたものが見られるので端折り、個人的な雑感だけ残したい。
まず、本書は「愛」について考えさせられるものであった。
「キリスト教的な愛」とは我欲の否定のベクトルにあり、それを我々が生きる俗世では「禁欲的」と表現する。主人公は「俗世の中での愛」すなわち自己愛やナルシズムのベクトルから、ときにキリスト教を攻撃し、ときにキリスト教と俗世の狭間で葛藤する。

現在の世界では「自己否定から出発する愛は到底受け入れられるものではない」と考えられている。私達は「第一に自分のことを考えなさい」と小さい頃から躾けられ、それこそが厳しい世の中を渡っていく根本原則であると心に刻まれるのだ。
トルストイは多神教的古代ローマを無神論的な近現代社会と重ね合わせた。キリストの教えを実践する原始キリスト教をこのフィクショナルな世界に置くことによって、この常識ともいえる自己愛肯定に一石の疑問を投じているのではないだろうか。

私達は生きていく上で労働をしなければならない。それは有史以前から変わらず、またこれからも変わらないだろう。タダで食べられるものが無限に存在しない限りは労働は不可避なのだ。
労働とは自分の能力や時間を犠牲にする行為であり、それを「愛」として歓びを見出すことができるのならば、その人は幸福の状態にあるといえる。
対して自己愛から出発すれば、何らかの犠牲を払う労働は不幸な状態であり、自己の不幸を減らすためには他者を働かせる(=不幸にさせる)なければならない。
オセロの駒のように自己否定の愛と自己肯定の愛は「犠牲」を巡った表裏一体のものであり、視点の違いなのである。


トルストイは「光」とは真理であり、真理とは人間の良心だという。
私達は実際には何も見えない真っ暗な世界に生きているが、この闇の中をぽつぽつりと蝋燭のように灯して世界の実態を照らそうとしてきた。
その点で学問と良心は良く似ている。きっと両者は共にあらねばならないのだろう。

7 July 2013

ツール・ド・箱根

この時期はツールがあるので、否が応でも自転車に乗りたくなってしまう。
先日、梅雨の中休みを狙って箱根までツーリングしてきた。
バイト後で真夜中のスタートだったが、夏は夜のが走りやすいよね。勿論、危険も多いわけだけど。


最初は246号で、平塚あたりで南下。134号で大磯まで行き、後は1号線。
途中、足が攣りそうになったのでゆっくりと。
帰りはずっと1号線、多摩サイ入って世田谷から環八へ。

箱根は良く行くのでルートをもう少し練りたい。

6 July 2013

英検準一級

塾講師をやっていると英検対策の授業を頼まれることがよくある。中高生相手なので4級から2級の対策だ。
2級の問題は恥ずかしながら自分の英語力では稀に間違えてしまうことがあるので予習はしておく必要がある。正解はできるが理屈を説明できないことやド忘れした単語もあるし。
ただ他の講師を見ていると殆ど予習をしているように見えないのだが、果たして大丈夫なんだろうかと思う。それとも高校程度までの英語なら間違えないほどの英語力があるのか。
後者ならば自分の英語力が不安になってしまう。

ところで、自分は中学生のときにとった4級しか持っていない。
生徒や保護者に自分の級を尋ねられることがあるが正直あまり答えたい質問ではない。
負い目に感じているわけではないが、担当講師の英語力が4級とあっては保護者も大金を払いたくないだろうし生徒のモチベーションも変わるだろう。
こういうテストは本質的にはあまり興味もないんだけど、今の私の英語力を解りやすい形で証明できれば、そんな自他の不安をある程度解消できるのではないか、と。
そんな思いから英検準一級を受けることにした。とりあえずは10月のやつ。

英検の手伝いバイトを何回かやったことがあって小耳に挟んだんだけど、英検には色々メリットがあるらしい。
TOEFLやIELTSと同等の英語力と認定して留学を受け入れる大学もチラホラあるらしい。
他には企業採用や大学の単位認定とか。

ちなみに東京都の教員採用試験で実技免除を受けられるが、その条件は
・英検1級
・TOEIC900点以上

その他TOEFLもあるけど、TOEFLは受験料がな。。。
つまり、教採において準1級ではあまり意味がないんだけど、ま、とりあえず履歴書には書ける。

して、この実技免除は結構おいしいんじゃないか?
英検1級はかなりハードルが高く感じるんだけど、TOEIC900点は模試でとったこともあるし結構狙いやすい感じがする。とりあえず秋までは準1級を目標に据えて、首尾よく取得できればTOEIC900点にシフトしようと思う。


で、買ったのがこれ。

知らなかった意味をもつ単語や、ド忘れしていた単語、または知らない単語もあったので買った意味はあると思う。
要領よくやれば2週間くらいで一周できそう。
CDはやはり集中して聴かないと入ってこないので「ながら」では、効果がないと思う。
ちなみに例文の音声はネットで別売り。買ってみたけど、これは1120語分がワントラックになっていて使い辛いのお勧めできません。

次にこれ

英検っていったら旺文社が鉄板かな、と。うちの塾でも非公式に薦めてるし。
上記キクタンで頻出の単語は押さえられるけれど、こちらの問題を解きながら知らない単語を抜きだして別に覚えると、より効果的だと思う。
今の段階でどの問題も8割程度の正答率だが、例えば語彙選択の問題で選択肢に知らない単語があると結構不安になる。キクタンだけでは、選択肢の3/4程度しか網羅できないのではないかな。それで充分とみるか足りないとみるかは、その人次第でしょうけれど。

ただ、英検準一級以上に出題される英作文についてはどうしたものか。
こいつは、なかなか自分で採点がつけられないからね。